2025.02.25
これはある1つの仕事の話です。
2018年、今から7年前、まだ僕はフリーランスのwebデザイナーでした。当時カネコデザインというタイトルだったこのサイトも、元々はその事業のためのサイトでした。
あるとき、サイトから一通のお問い合わせメールが。
送り主は「JR九州高速船」という、後半が聞き馴染みのない会社。よくよく内容を見ると、福岡と韓国のプサンを結ぶ船「BEETLE」を運営する大きな会社でした。BEETLEは、自分たちの世代で福岡に暮らしていた人ならだいたいの人が知っている有名な船です。実際に利用した事のある人も多い。
「新しい船ができるのでその告知などをしたい」というご相談内容で初めての打ち合わせをすることに。場所は天神のジョイフル。
そこに現れた担当者のお名前は奥さん(男性)。余談ですが、この名前が今日までずっとややこしい。というのも、メールの冒頭では「奥さん」「奥さま」となり、人妻感がすごい。人に話すときも、「”BEETLEの”奥さんが〜」と社名を付けないと勘違いが起こる。予定に「奥さん:14時〜」とか入れたところを自分の妻に見られたら浮気してると勘違いされないか?とか、色々慣れるまで時間がかかりました。
今回の話は、そんな奥さんと僕の話でもあります。
当時の日本は、今ほどは韓国ブームはきてなく、好きな人は好きという程度だった。ヨン様はとうの昔で、KARAや少女時代は数年前に流行ったという感じでした。
正直に言うと、当時僕は韓国の事を好意的には見てませんでした。スポーツでのこと、偏りもありながら報道される内容のこと、今思うと一部だけを見ていたのですね。
初回の打ち合わせから半年後、僕と(BEETLEの)奥さんはBEETLEでプサンに一緒に行くことになりました。
その間にも何度もプサンの事を考えていたので、やっと来れたという感覚でした。
初めて見た韓国は、イメージ通りで、ハングルだらけの町並みに興奮したのを覚えてます。プサンは韓国第2の都市なので大阪のような街です。商売っ気と都会が混ざったような感じも似てる。船という事もあり、気軽に来れて外国感も味わえるし、これはなかなか良いなと感じました。
一番最初に食べたプサン名物のナッチポックン(タコや野菜を辛く炒めた鍋)は大好物になり、取り寄せたりしてます。
初訪韓のブログ
ご飯も美味しいし、人も一生懸命働くし、都会のところはすごく都会だし、荒いところもたくさん、僕は韓国というよりプサンを好きになった。
その後も、会社のみんなで行ったり、仕事で行ったり、合計7回訪れました。毎回本当に楽しかった。こんなの言ったらアレだけど、仕事のようで遊びのような。色々な場所に行き、プサンと船の魅力を紹介した。
海外旅行という性質上、コロナや日韓の情勢によってビジネスが揺らぐところもたくさん見てきました。
そんな中、自分はフリーランスから会社員になったけど、関係はそのまま続けさせてもらいました。
制作したものもたくさん。
BBB!というWebメディアを立ち上げた際にはラジオにも出演させてもらったりと、様々な経験をさせてもらいました。
このBEETLEという船は公式発表の通り、今月で(2025年2月)で撤退します。理由は色々あるのですが、正しく伝えるのは難しそうなのでここには書かないでおきます。一つ言えるのは、報道されてる内容が全てじゃないし、社会や世論って厳しくて難しいんだなって思いました。
色々な人に協力してもらいながら、長い間携わらせてもらったこの仕事。あのジョイフルの時点では、ここまでの関係になるとは思ってませんでした。最初2人だったんですよ。
終わるのは本当に残念ですが、先日奥さんとご飯を食べて色々話していると、本人が一番悔しそうでした。
担当頂いた社員の方々、BEETLE、QUEEN BEETLE、おそらく今後も忘れることはなさそうだなと思ってます。
と、センチな金子でした。
ちなみに、落ち着いたら慰労会をプサンでするつもりです。